『おおかみこどもの雨と雪』が嫌いな理由とは?疑問をまとめてみた!

 

『おおかみこどもの雨と雪』について調べていたところ、「この作品は嫌い」という意見を見かけました。

私は最初観たときに嫌いという印象を受けなかったので、その理由が気になってみていたところ、どうやら設定や展開そのものに疑問が多すぎて「嫌いになった」人が多いようでした。

 

今回は『おおかみこどもの雨と雪』について、「嫌い派」の意見と疑問に思われる点について紹介していきたいと思います。

 

 

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『おおかみこどもの雨と雪』を嫌う理由とは?

 

引用:http://xn--5ck1ak6it68xsha433a5p5a.com/archives/351

 

 

個人的にこの作品を嫌う理由として思いついたのが「ケモナーが騒ぎ出すから」とか「作中に辛い描写があるから」の類かと思っていたのですが、実際はそんなものではありませんでした。

 

否定的な意見をみていくと、その多くは主に女性であり、中でも既婚女性や子育て世代のお母さん方からの厳しい意見が目に留まりました。

 

おそらく母親である花の行動に対して、納得のいかない部分があったのではないでしょうか?

 

具体的な意見を例としてあげると、

 

(1)アルバイトと奨学金で大学に通う真面目な花が、よくわからない男との子供を妊娠し、勝手に退学、出産してしまう経緯が分からない。ましてや、2人も子供を作るなんて…。

 

(2)訳ありだからといって自分の子供に予防接種や定期検診を受けさせなかったことや、周りに援助や支援を一切求めず全て1人でこなそうとすることに違和感を覚えた。

 

(3)夫(おおかみ男)の突然な死の理由が分からない。また生前にその夫が残したお金だけで子供2人を抱えてやっていくのは無理があると思う。

 

(4)なぜ田舎の山奥の方に引っ越すことで、自給自足の生活が成立したのか。そして女子供だけでどうやって廃屋の修繕ができたのか。設定に無茶が多すぎ。

 

(5)最後の終わり方がなぜかスッキリできない。花が息子の雨のことを追いかけ、娘の雪のことを迎えに行かなかった場面で、「雪のことを見捨てた」と感じとれてしまう。

 

…などの意見がありました。

 

 

共感できた意見について

 

引用:http://anicobin.ldblog.jp/archives/35799702.html

 

うーん、なるほど…。

現実的に照らし合わせて考えてみれば、疑問に感じるところがボロボロありましたね。

 

この中で個人的に共感できた意見としては(3)と(5)でした。

 

冒頭の嫌う理由として少し書きましたが、この作品には「観ていて辛いな~」と思う描写がところどころあります。

 

それはオオカミ男の突然の死であったり、通常ではない子育てで疲弊する母の姿であったり、人によって当てはまるところは違うと思います。

 

その中でも私は、「オオカミ男の突然の死」に一番のショックを受けました。

 

作品を手掛けた細田監督がインタビューで「母親の役割を通した女性の話として作りたかった」と語っていたこともあり、父親であるオオカミ男がいずれ亡くなってしまうのは内容的にしょうがないと思えましたが、問題なのはその方法ですよね。

 

オオカミ男が実は不治の病気を患っていて、自分の死期を悟った彼が突然姿をくらまして、後々近くの山で病死しているのが発見された】とかでしたら、すんなり納得できたと思いますが…。

 

そうではなく、オオカミになった状態の遺体がなぜか川で発見され、そのままゴミ収集車の中に放り込まれて処理されたという内容だったので、すごくショックを受けましたし悲しかったですね。

 

この部分に関する否定的な意見には深く共感いたしました。

 

 

また、(5)のような意見に関しても共感ができました。

 

雪は母親の花が迎えにこないことを不安に感じつつ、雨と花は突然のお別れ。

果たしてこれが気持ちのいい終わり方だったのかなぁ…と少し疑問に感じました。

 

 

というのも、雨と花の間ではそこで完結したかもしれませんが、雨と雪はどこで完結していたのでしょうか?

オオカミとして生きていくことに決めた雨と人間として生きていくことに決めた雪はお互いの主張で大喧嘩をした後、和解したシーンは見受けられませんでした。

 

つまり、お互いが理解し合えないまま終わってしまったと考えられるのです。

 

細かい部分かもしれませんが、なんだか寂しい気持ちになるのは私だけでしょうかね…。

仮に、作品で題材とされていた「親子愛」が成立していたとしても、お互いが違う生き方を選択したことで姉弟の関係が崩壊したまま終わってしまったというのは悲しく思えました。

 

 

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その他の意見に関して

 

引用:http://anicobin.ldblog.jp/archives/35799702.html

 

 

先述した(1)と(2)、(4)の意見についてですね。

 

これについては、共感という思いよりも「実はこうだったんじゃないか?」という思いのほうが強かったので、書いていきたいと思います。

 

 

まずは、(1)の

アルバイトと奨学金で大学に通う真面目な花が、よくわからない男との子供を妊娠し、勝手に退学、出産してしまう経緯が分からない。ましてや、2人も子供を作るなんて…。

についてですね。

 

これは、花の生い立ちについて考えてみると、分かるかもしれません。

 

花は父子家庭に育ちますが、高校生のときに唯一の肉親であった父親を亡くしております。

天涯孤独の身になった花は、奨学金とバイトのお金で真面目に大学に通い、そこで彼(オオカミ男)と出会います。

 

彼も彼女と同じく、孤独の身だったんでしょう。

境遇が似ていたからこそ、お互いに惹かれ合ったんじゃないかなぁと。

 

その後同棲するようになり子供を授かることになるわけですが、ここで花は今までの生活を続けるよりも、早いところ「憧れた家庭を築きたかった」のではないかと考えられます。

 

花自身がこれまで父子家庭で育ってきたことを考えると、お父さんとお母さんがいる家庭に憧れを持っていたとしても不思議ではありません。

 

今までの先行きの見えない不安定な生活を送るぐらいなら、自分が憧れていた家庭だけでも作りたいと思ったことが背景にあったのではないでしょうか。

 

 

次は(2)の

訳ありだからといって自分の子供に予防接種や定期検診を受けさせなかったことや、周りに援助や支援を一切求めず全て1人でこなそうとすることに違和感を覚えた。

について。

 

これについては当初私もなぜ予防接種や定期検診を受けさせなかったか思うところはありましたが、花からしてみれば、それ以上に「自分の子供の正体が他人に知られた時、自分の力だけでは子供を守れなくなってしまう」という気持ちのほうが強かったのではないか?と思えるようになりました。

 

もし、人前でオオカミになってしまったら?

騒ぎになった時に、この子達は自分の元から離されてしまうのではないか?

 

そのような思い込みが強かったからこそ、花は全て1人で解決しようとしたのではないでしょうか。

 

…あと、それ以前の話になってしまいますが、「雪と雨の戸籍はあるのだろうか…?」という現実的な問題もありました。

 

 

 

最後は、(4)の

なぜ田舎の山奥の方に引っ越すことで、自給自足の生活が成立したのか。そして女子供だけでどうやって廃屋の修繕ができたのか。設定に無茶が多すぎ。

についてです。

 

 

これに関しては、許容しても良いんじゃないかなぁ…と思えた問題だったのですが、どうでしょうか?

 

自給自足の生活がすぐに成り立たない点に関しては納得できるにしても、廃屋の修繕に関しては、それこそTOKIOのDASH村みたいに正しい修繕の工程を映画の中で描くという方が無茶なような気がしました。

何を伝えたい映画なんだろうかという観点がブレかねないからです。

 

もちろん、トトロのように物語の一部として上手く組み込んでいる作品もありますが、トトロの中で描かれている年月(約1年)とおおかみこどもの中で描かれている年月(13年)を比較してみたときに、その期間が全く違うことを考えると目をつむってもいいかな…と思えました。

 

 

 

『おおかみこどもの雨と雪』が嫌いな理由についてのまとめは以上となります。

 

最後までお読み頂きありがとうございました!!m(_ _)m

 

 

 

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