「おしどり夫婦」といえば、一般的に仲の良い夫婦のことを想像すると思いますが、実際のところはどうなのでしょうか?
今回は、おしどり夫婦の意味やその由来について、分かりやすく説明してきたいと思います。
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おしどり夫婦の意味とは?
おしどり夫婦のオシドリ(鴛鴦)とは、鳥類の中でもカモ目カモ科に分類される、いわばカモの仲間です。
おしどり夫婦の意味は、このオシドリの雌雄がいつも一緒にいることから【仲むつまじい夫婦】という意味になったと言われております。
しかしながら、ちょっと待ってください。
実際のところのオシドリはどうなのでしょうか…?
確かに、河川や湖で見かけるカモの番(つが)いを見ると、仲良く行動しているようにも見受けられます。
ただし、それはあくまでも「メスが卵を生み終えるまで」のお話なのです。
実際にオシドリを含むカモの仲間の多くはメスが産卵すると、オスは抱卵(=卵を抱きかかえて温めること)や子育てを手伝うことなく、新しいメスを探しに行ってしまいます。
これは、生き残りをかけた自然界でより多くの子孫を残すために身に着けた習性だと考えられておりますが、実際の様子を人間に当てはめて考えてしまうと何とも悲しいですよね…。
奥さんに自分の子供を産ませたら「ありがと!それじゃ、バイバイ~!」と言ったカンジで即不倫しまくるような旦那さんですかね。…とんでもないクズ男です。
そもそも比較してしまうこと自体が間違いなのかもしれませんが、「仲の良い夫婦の慣用句」として使われているオシドリが、実際には「同じ相手と一生暮らし続けることが無い」のですから、皮肉たっぷりなのもいいところです。
ただ、今のところ正式な意味としてそういった意味合いは一切含まれておらず、「仲の良い夫婦」として使われているのが事実です。
ちょっとした雑学ですが…人によってはあまり知りたくない情報だったかもしれませんね。
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おしどり夫婦の由来とは?
さて、前述のように紹介した「おしどり夫婦」ですが、「仲の良い夫婦」という意味で使われるようになった由来は2つあります。
1つは、中国の故事にある【鴛鴦(えんおう)の契(ちぎ)り】というお話から。
少しファンタジックなところがありますが、考えさせられるいいお話です。
その昔、中国の戦国時代のこと。
宋の康王(こうおう)が、家来である韓憑(かんひょう)の美しい妻を権力で奪い取った。
韓憑は痛憤のあまり自殺するのだが、妻もまた、
「夫と一緒に葬って欲しい」
という遺書を残して、後追い自殺した。
民衆は2人に深く同情したが、これに怒った康王は、2人の墓をわざと向かい合わせにつくり、
「もし墓を1つに合わせられるなら、やってみるがよかろう」
と言い放ったのである。
「そんなことができるわけがない」と見こしたうえでの嫌味であった。
ところが、一晩でたちまち梓(あずさ)の木(=今の日本でいうところの「キササゲ」)がそれぞれの墓から生え出てきたではないか。
さらに10日ほどすると、2つの木は枝がつながり、根は1つにからまり合った。梓の木によって、ふたりの墓は2つに合わさったのである。
そして、この木の枝の上には、ひと番(つがい)オシドリが棲みつき、1日じゅう悲しげに鳴いたそうだ。
これが「オシドリ夫婦」なのである。
引用:おしどり夫婦の真実
この物語を読むと分かって頂けると思いますが、オシドリほぼ関係ないですよね。仮にこの木に棲みついていたのが、番(つが)いのカラスだったら「カラス夫婦」になっていても何らおかしくないのです。
「カラス夫婦」ですよ…。
ちょっとカッコいいですね。
さて、由来の2つ目は言い伝えからですね。
その話によると…、
その昔、オシドリのつがいの1羽を捕らえてしまうと、残ったもう1羽がいなくなった相手を思い続け、挙句の果てに死んでしまうという言い伝えがありました。この、「思い死ぬ鳥」という言葉が短くなって、オシドリという名前が付けられた。そして、それにあやかっておしどり夫婦という言葉が生まれた
引用:おしどり夫婦の意外な真相
…とのことでしたが、こちらも1つ目と同じく「少し無理があるかな」といった印象ですね。
捕らえたのがオスかメスかは分かりませんが、どちらにしても「新しいお嫁さん(旦那さん)探しに行こーっと」で終わるような気がします。
でも卵を生むまでは超献身的にサポートしてくれるようなので、それを考えるとありえるお話かもしれませんね。…カモだけに。(すみません)
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真のおしどり夫婦といえる動物は?
調べてみたところ、少ないながらも「真のおしどり夫婦」とされる動物がいることが分かりました。
有名なところだと、ペンギンやオオカミなどが広く知られておりますが、実はたぬきやハクトウワシも一夫一婦制を守る動物とのこと。
そして、その中でも特に知られていないの動物が、ウシの仲間である「ディクディク」です。
ウシの仲間といっても、その見た目は子鹿に似ており、とっても可愛らしいのです。
体長も40~50cm程度しかありません。
ディクディク【オス】(角があります)
引用:http://kilidovetours.blogspot.jp/2012/10/facts-about-kirks-dik-dik.html
ディクディク【メス】
引用:http://farm8.staticflickr.com/7081/7214688714_5186f35f17_b.jpg
このディクディク、主な生息地はアフリカのサバンナということで、実際に会えるであろう動物園についても調べてみたのですが、残念ながら2017年8月20日現在で展示している国内の動物園は1つもありませんでした。
(※2010年の6月頃には、富士サファリパークにて会えたらしいのですが、現在では展示されておりませんでした…。くぅ…。)
参考サイト(富士サファリパークで撮られたと思われるディクディクの可愛い写真が載っておりました)→【気ままなzoo】
最後に少し脱線してしまいましたが、まとめさせていただくと、【おしどり夫婦のオシドリは、実際には卵を産んでもらったら別れてしまう鳥】ということです!!
個人的にはいっその事、「ペンギン夫婦」や「オオカミ夫婦」の方が良さそうな気がしますね。
もちろん、「ディグディグ夫婦」もアリですよ!(#^^#)
皆さんがご結婚された際には、「真のおしどり夫婦」になれることを心より願っております。m(_ _)m
以上、最後までお読み頂きありがとうございました!!
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