現代版の質屋アプリとも言われている「CASH」アプリがどう考えても、危険すぎる…。
今まで無かった目新しさもあり、話題作りにでもなればと思いダウンロードしてみたが、SNS上の口コミや評判を見る限り、とてもじゃないが仕組みがおかしいという印象を受けた。
いや…、ここで単に「おかしい」というのは不適切かもしれない。
「問題だらけ」といったほうがしっくりくる。
今回は、私が危険と感じた「CASH」アプリの仕組みと危険な理由について書いていきたいと思う。
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CASHアプリの仕組みとは?
CASHアプリの仕組みはいたって簡単だ。
まず、利用するのに必要なものは「スマホ」と「電話番号」のみ。
アプリの利用は無料なので、ダウンロード後に電話番号を入力してSMSを受け取れば登録は完了します。(住所や氏名、メールアドレスの記入は一切ありませんでした。)
ここまで、わずか3分ぐらいでできてしまうので超簡単。
あとは、買い取ってほしい商品のブランド(とはいっても、取り扱っている項目はiPhoneなどのガジェット系とアパレル系のみ)や商品のコンディション(汚れや傷の状態)を選択して、写真を撮ってデータを送信さえすれば、即査定金額が算出される。
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査定があまりにも速いことから、「ブランド」と「コンディション」の内容だけで金額を算出していると考えられるので、現時点における写真の意味はないですね。(これについては、後の問題点で後述します)
査定結果に納得できたなら、表示画面で【キャッシュにする】を選択。
すると、あっという間に査定金額が入金される…という仕組みになっています。
(出金は査定金額が1万円以上なら銀行口座への振り込みのみ、1万円未満ならコンビニ受け取りも可能です。ただし、どちらの場合も出金手数料として250円かかります。)
ちなみにここまでの処理を完了するまでにかかった時間はたったの5~6分です。
その後は、2ヶ月以内に査定した商品を送るか(送料は無料)、査定金額に15%のキャンセル料を上乗せした料金を返金するか選ばなくてはいけません。
なお、当日に限ったことですが、査定金額を引き出していなければ15%のキャンセル料を払うことなくキャンセルできるとのことです。
その方法についても記述しておきますね。
【キャンセルの手順について】
1.画面下の「アクティビティ」を選択。
2.表示画面の商品を選択。
3.「このキャッシュを取り消す」からキャンセル処理。
出典:http://tytf.jp/wp-content/uploads/2017/06/img_1327.jpg
ウォレットから引き出していなければ、アイテム詳細画面でキャッシュを取り消せるみたいですよ(この導線は鬼畜……) pic.twitter.com/DtqZdoNjkr
— yoko (@yksk) 2017年6月28日
さて、ここまでCASHの仕組みについて書きましたが、その簡単さや手軽さは理解して頂けたと思います。
このアプリの表面的な部分だけを評価すれば、物を売るための面倒な処理や手続きを極端に省略した画期的なアプリと言えるでしょう。
しかし、その簡単さ故に、不正に利用される危険性もめちゃくちゃ高いのです。
その理由となる問題点について、指摘していきたいと思います。
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CASHアプリが危険な理由について!
CASHアプリが危険な理由についてはいくつかあるのですが、分かりやすいように「利用者側」と「運営者側」に分けて指摘していきたいと思います。
まずは、「利用者側」から。
アプリを理由する際に、規約などを注意深く確認する方ならば心配いりませんが、私も含め確認しない人の方が多そうなので、注意すべき点について書いておくと、
・どのような商品でも最大2万円が査定上限である。
・査定当日中にキャンセルしなかった場合かつ買い取りをキャンセルしたい場合、15%のキャンセル料を上乗せした料金を返金しなくてはいけない。
この2点ですね。
なので、新品のiPhoneを「いくらになるかなー?」なんていう軽い気持ちで査定に出さないよう注意です。どんなに頑張っても査定上限が2万円なので、それ以上の価値のある物を査定すると大損します。(当日キャンセルすれば問題ありませんが。)
また、当日キャンセルをしなかった場合に15%のキャンセル料を支払うのも絶対的な損をするので、大原則ですが「元から売る気のないものを査定する」のは辞めておいたほうが賢明ですね。
あとは、必ずやる人がいると思うので書いてしまいますが、商品の情報を不正に入力し査定金額を取得、その後「実際の商品と異なるものを送る」もしくは「2ヶ月間、商品を送りもしないし、返金もしない」場合、犯罪になる可能性があります。
こういった不正に対する運営会社の対処法としては、登録された電話番号のアカウントをブラックリストに追加し、そのユーザーに対するサービスを停止するといった措置が取られるとのことでしたが、運営会社の出方によっては警察沙汰のトラブルに発展しかねませんので、少しでもやってみようと思った人は本気でヤメておきましょう。
現に、SNS上を拝見する限り、実際に入力した情報と写真がかけ離れていても査定金額に影響しなかったことが実証されておりました。
自分が見かけたのは、商品情報をiPhoneと入力してコンビニcoffeeの写真を送付しても「2万円」と表示されていたので、写真自体はたいして意味のないものだと思われます。
さて、次に「運営者側」について。
危険性で考えれば、「運営者側」の方が圧倒的に危ないです。
というのも、前述したような「利用者側」による不正の数が一定数発生してしまうのは防げませんし、加えて、商品に関する「査定基準」についても問題点が残っているからです。
では、その「査定基準」の問題点とは何なのか…?というと、利用者の主観的な目線でその商品の値段が左右されてしまうことになります。
例として、Aさんは買い取りしてもらう商品の状態を☆4つの「新品同様」だと思って買取してもらったけれども、鑑定士からしてみたら実際は☆1つの「ダメージあり」だった…とか。
正規のブランド品と思って買っていたシャネルのバックを☆2つの「軽度のダメージあり」で買取してもらったけれども、実際はそもそも偽物として作られたバックだった…とか。
このような利用者側の申告に基づいて商品の査定価格を決定しているのは、運営者側にとって大きな危険になると予想できます。
悪い予感が的中してしまったのか、現時点(6月30日午前1時現在)におけるCASHの査定は一時停止状態にあり、体制が整うまでしばらくは復旧されないとのこと…。
そして…、CASHアプリを提供する「株式会社バンク」の発表によると、
既に現金化された商品の総額は3.6億円以上にもなるとのこと。
→【参考:CASHをご利用の皆さまへ(PDF)】
これって裏を返せば、運営者側が利用者側に3.6億円以上の現金を貸し付け、利用者側は2ヶ月以内に「商品を送る」か「キャンセル料を上乗せした料金を返金」しなくてはいけない状態にある、ということになりますよね。
…では、果たして現金化された商品のうち、運営者側へ期限内に「送られてくる商品」は全体の何割で、その中の何割が「利益回収できる商品」なのでしょうか?
当然ですが、利益を回収できない商品が多ければ多いほど、赤字は膨らんでいってしまいます。
早くも先行きが見えない展開に、CASHアプリの存続を危惧する声が目立ちますが、どうにかうまい形で切り抜けて、新しいサービスを拡大していってほしいですね。
個人的な希望としては、書籍の買取などにも対応して頂けたらなぁ…と思います。
以下、CASHアプリを運営する「バンク株式会社」の光本氏のTwitterになります。
CASHユーザーの皆様、サービス開始から24時間経たずして本当に申し訳ございませんが、ただただ、予想を遥かに超えたサービス利用に至り、一時的に査定機能のみ停止をさせていただくことになりました。ご期待に沿えず申し訳ございません・・。 https://t.co/8tRtPbWiBR
— Yusuke Mitsumoto (@Yusuke_Tokyo) 2017年6月28日
キャッシュの引出し含め、査定機能以外は引き続きご利用いただくことは可能です。体制等が整うまでの間、いま暫くお待ちいただけましたら大変幸いです・・。
— Yusuke Mitsumoto (@Yusuke_Tokyo) 2017年6月28日
いち早い復旧を願っております!
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CASHアプリの口コミや評判について!
CASHアプリについては様々な意見がありますね…。
その中でも目に止まった口コミや評判について、いくつか紹介させていただきます。
話題のCASHの仕組みみたけど、これ反社の食い物にされて終わりだろ
あと2万いますぐ欲しい人に対して性善説を唱えるのは並の神経だとできないことなので、正直凄いと思った— アカイライ (@Achaierai) 2017年6月29日
CASHで転売するために早くもメルカリでボロボロのスニーカー大量仕入れしてる人がいたw 手元に残るのは規約違反でBANされて15%加算された債権と、ボロボロの靴・・・
— 名もなきライター (@writer_noname) 2017年6月29日
繰り返しますがCASHは現物を鑑定して融資を行う質屋ではありませんので、偽物やカテゴリ違いなど規約違反の申し込みをされた場合、運営側は申し込みを拒否することができます。 pic.twitter.com/0OffE3Ntal
— うりぼう (@smilemilelife) 2017年6月29日
CASH、適当な写真で2万円かっさらって逃げるだけの一発屋ユーザー多発で終わりを迎える気がする。
日本人の民度の低さを舐めたらあかん。
— レンジ (@renziyama) 2017年6月29日
・カード支払い
・ZOZOツケ払い
・CASHの三連コンボで首回らなくなった人の話、早くウシジマくんで見たい。
— たなべ (@tanabe1222) 2017年6月29日
日本、CASHなどに見るように最先端のサービスやテクノロジーの概念が出てきてもことごとく貧困のためのビジネスに応用する人が現れるし、情報通信白書に貧困の特集が組まれる日も近い。サイバーパンクは実は貧困のことだったのではないか。
— Tajima Itsuro (@niryuu) 2017年6月29日
CASHを090金融っていうのは実に的を得てるし、これらの少額金融サービスを貧techっていうのは本当に才能があるなという他ない。
— のらねこ!C92 1日目 東7 た37b (@ragemax) 2017年6月29日
「質屋アプリCASHが査定停止」のニュースを読んで思ったこと。
・事業見通し甘すぎ
・再開は難しいだろう
・乗り遅れたと嘆いている人にとって悪いニュースではない。メルカリでも売れない物を現金化して喜んでいる連中に関するビッグデータに自分の個人情報が含まれずに済んだことはメリット。— YSU@サーナイトナイト早くよこすのです (@JapanYsu) 2017年6月29日
以上、最後までお読み頂きありがとうございました!m(_ _)m
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