ここにきて、慰安婦像の問題が再燃している。
2015年12月28日に日韓外相会談で結ばれた日韓合意があるのにもかかわらず、2016年1月6日に釜山にある日本総領事館前に慰安婦像が新たに設置されたのである。
設置された慰安婦像が即時撤去されるのであれば、ここまで大きな問題にはならなかったと思うが、韓国政府は設置についての判断を地元の自治体に任せ、黙認する形を取った。
そして、今回の問題まで発展したのである。
韓国は何度繰り返して、何回蒸し返せば気が済むのだろうか?
歴史問題の解決に向かって、両国の首相が歩み寄って大きな一歩を踏み出したのにもかかわらず、気づけば韓国だけがスタート地点に逆走しているのである。
ではなぜ、韓国は慰安婦像を撤去しないのか?
そして、日韓合意を白紙に戻すというのは本当なのか?
憤りを感じざるを得ない問題だが、考察を交えて書いていきたいと思う。
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韓国が慰安婦像を撤去しない本当の理由とは?
引用:http://image.news.livedoor.com/newsimage/2/6/26677_368_e0c6a09e7b728d957921fce53e446f98-m.jpg
結論から書いていくと、慰安婦像を撤去しない本当の理由は大きく分けて2つある。
まず1つ目は『日韓合意で言及された、慰安婦像の撤去については韓国側の努力目標にしか過ぎない』こと。
そして、2つ目は『今の韓国政府が事実上の死に体なっている』ことである。
この2つについて、順を追って説明していきます。
まず1つ目に関して。
当時の日韓合意にて日本側が1番に重要視したのは「慰安婦像の撤去」ではなく「問題を最終的かつ不可逆的に解決」することにありました。
1965年の日韓基本条約で解決されているはずの問題が、現在に至るまで何度も蒸し返されていたのは言うまでもありませんが、今回の日韓合意では韓国側の今後一切の蒸し返しを封じることが真の目的だったのです。
なので、日本側は慰安婦像撤去について「努力目標」に留めておいたのです。
つまり韓国側からしてみれば、慰安婦像については「努力目標」にしか過ぎないので、国内において市民団体との解決に向けた形式上の話し合い(=努力)さえしていれば「現状維持」でも構わないだろう…としか思っていなかった可能性が高いのです。
もしそうでなければ、日韓合意後、強制的に撤去することもできたはずですから。
ただ、今となっては強制的に撤去することもできなくなっているのです。
その理由が2つ目に当たります。
現在(2017年1月7日時点)で、韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の権限は停止(※)されており、政府の政治的機能がほぼストップしてしまっている状況にあります。
※2016年12月9日に国会で弾劾訴追が可決され、職務権限停止。
原因は民間人の国政介入に直接関わっていたからである。
この状況の中、現国務長官であった黄教安(ファン・ギョアン)さんが代行として大統領を務めていますが、前大統領の問題発覚後の支持率が10%に満たない最悪の状態で政権を引き継いだ彼が、国民の反感をさらに買う用な政策ができるわけもなく、八方塞がりに陥ってしまっているのが現状ですね。
今回の慰安婦像の問題再発に関する日本側の対抗措置として、駐韓大使の一時帰国や日韓通貨スワップ協議の中断に踏み切りましたが、現在の韓国政権にこれを解決する余力はすでに残されていません。
では、どうすればこの自体を打開できるのか?
行き着いた終着点はあまりにも稚拙でした。
日韓合意を白紙に戻す?稚拙な考えの終着点
引用:http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/c/a/cac26877.jpg
この『日韓合意を白紙に戻す(破棄する)』という話を聞いた時、「あぁ…また理由をつけて蒸し返すのか」と不快な気分になったのは私だけでしょうか…?
この記事を書くために色々なサイトを調べていたのですが、Wikipediaの「慰安婦問題日韓合意」の項目についてこのような記載がありました。
2016年12月、韓国の第19代大統領候補の全員が慰安婦問題日韓合意の破棄もしくは再交渉を選挙公約に掲げ、韓国最大野党の共に民主党も政権交代が実現した場合、日韓合意を破棄することを公約とした。
引用:Wikipedia
なるほど…。
仮に日韓合意が破棄されるということであれば、合意の際に日本側から韓国の元慰安婦団体に拠出した10億円も全て水の泡となりますね。
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個人的な意見としては、極論10億円が返還されようがされまいがそんなことはどうだっていいと考えています。
それは何故かと言うと、今後韓国がどういった理由付けで一方的に合意を白紙に戻す(破棄する)かまではわかりませんが、国際社会における韓国の信用が一気に崩れ落ちることは間違いないからです。
すると、その次に予想される事態は何でしょうか?
日本から韓国系企業への投資の減少(外務省のデータによると2015年で日本は韓国に対する投資国第2位)やそれに伴う韓国系企業の株価の減少、貿易額の減少、経済協力の打ち切り…etc
様々なマイナス要素が考えられますが、何と言っても「国際社会からの信用喪失」はとても大きな問題だと思えますね。
信用がない国という時点で、誰も平等な立場で交渉してもらえなくなるからです。
次に韓国のトップに立つ人達がどこまで考えているかまでは分かりませんが、後先のことを考え抜いて出した答えが「日韓合意の破棄」であるならば、それはあまりにも稚拙な考えとしか思えません。
ただハッキリ言えることは、教養のある有能な人が次期韓国大統領となれば、日韓合意破棄の可能性は極めて低いということです。
最後までお読み頂きありがとうございました!
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