ヒアリの天敵は日本のアリという情報が広まっておりましたが、結論から言ってしまうとデマです。正確に天敵と呼べる生物は、残念ながら日本にはいません。
というのも、本当のヒアリの天敵は正式名称を【アポセファルス・ボレアリス】、通称「ゾンビバエ」とも呼ばれているノミバエの一種で、主な生息地は南米アマゾンなのです。
今回は、ヒアリの天敵ゾンビバエや日本のアリでは勝てない理由について書いていきたいと思います。
スポンサーリンク
ヒアリの天敵ゾンビバエの正体について!
冒頭でも紹介しましたが、
ヒアリの天敵の正体は【アポセファルス・ボレアリス】というノミバエの一種です。
(覚えにくいですよね…。)
引用:http://time-share.me/wp-content/uploads/2017/06/170626-1.jpg
南米原産のハエで成虫の大きさは大体2~3mmぐらいになります。
ヒアリよりもやや小さめぐらいです。
一見、そこら辺にいるノミバエと何ら変わりなさそうですが、
注目すべき点はその習性にあります!
なんと、このハエはお尻の針からヒアリの体内にいくつもの卵を産み付けて、孵化した幼虫を寄生させるのです!
寄生した幼虫はヒアリの体液を吸って次第に成長、最終的には脳を食べて頭からにゅっと出てきて巣立っていきます。
これには、さすがのヒアリでも敵いません。
想像するだけでも、恐ろしい光景ですね…。
ちなみに、その様子を捉えた動画が下記のものになります。
かなり生々しい内容となっておりましたので、耐性がある方のみ再生してみて下さい。
ちなみに、このゾンビバエはヒアリの他に蜂にも寄生することが知られているため、ヒアリ対策として導入される見込みは低いと考えられております。
ヒアリだけを専門に攻撃してくれるのならまだしも、益虫であるミツバチなども被害にあってしまったら、余計な害虫が増えてしまうだけですからね…。
日本のアリはヒアリの天敵にはならない!
「日本の在来種のアリがヒアリにとって天敵となる。」
一時期、そのような情報が出回っており、
その時は「へぇ…そうなんだ!」となんとなく納得してしまいましたが、
後になって詳しく調べてみると、ある条件に限った話であることがわかりました。
その条件というのが、
【在来種のアリの縄張りにヒアリが侵入した場合】
というもの。
つまり、在来種のアリの巣の近くにヒアリが新たに巣作りでも始めようものなら攻撃してくれますが、自分たちの縄張り以外だったらもう好きにやっちゃって!といった感じですね。
また仮に攻撃してくれたとしても、在来種がヒアリに勝つためには最低でも数で上回っている必要があります。
日本のアリはヒアリのように強い毒を有しておりませんから、
集団で攻撃するしか勝ち目はないのです。
(吉田沙保里さんレベルの強さを持ったアリが在来種にいたら、一匹で撃退してくれそうですが…、残念ながらいないのです。)
天敵と言えば、普通はその生物に対して好戦的に戦い、
最終的には捕食してしまうというイメージがありますが、
これだけ聞くと在来種のアリはヒアリの天敵とはとても言い難いですよね。
だからといって、近所のアリをむやみに退治するのはナンセンスですが、
「在来種のアリがヒアリを撃退するのは考えにくい」ということは確かなようです。
スポンサーリンク
日本のアリがヒアリに勝てない理由!
日本のアリがヒアリに勝てない理由は2つあります。
その内の1つ目は前述してしまいましたが、
【在来種のアリはヒアリに比べて強力な武器(毒)を有してないこと】があげられます。
イメージとしては、南米原産のエリート兵士を日本原産の竹ヤリ部隊で迎撃するといったカンジに近いですかね。
武器のレベルが違いすぎます。
在来種のアリが持っている毒は蟻酸(ギ酸)と呼ばれておりますが、
その量はごく少量であり、仮にそこら辺にいるアリが集団で襲ってきたとしても
人にとってはほとんど影響ありません。
対して、ヒアリの毒は約95%がアルカロイド系の毒で構成されているのに加えて、
数十種類のタンパク質も含んでいることから、スズメバチの毒と同威力とも言われており、
刺されたら激しく痛みますし、人によってはアナフィラキシーショックを引き起こしてしまいます。(病院などで処置を受ければ、死ぬことはほぼありえないとされております。)
これらが集団で襲ってくるのですから、在来種からしてみたらとても太刀打ちの仕様が無いですよね…。
ちなみに、過去アメリカにヒアリが侵入してきた際も在来種のアリが各地にいたそうですが、そのほとんどがヒアリにやられてしまった、という事例があるぐらいなのでそれほどヒアリが強かったということでしょう。
日本がそうならないよう祈るばかりです。
…お話を戻しまして。
2つ目の理由は
【ヒアリの繁殖力が非常に高いこと】が挙げられます。
通常、日本のアリは1つの巣に女王アリが1匹しかいないものなのですが、
ヒアリは1つの巣に複数体いるのです…。
さらに、その女王アリは1日に約2000個以上の卵を生むとされているので、繁殖能力が非常に高いのです!!
人目のつかないところでひっそりと増え続け、そこから新しく産まれた女王アリがまた別のところで繁殖…なんてことになってしまえば、一気に広がってしまいます。
一度広がってしまうと根絶させるのは非常に困難とされているのは、この特性があったからなんですよね。
今現在ヒアリが発見されている場所は、港やふ頭、コンテナ置き場周辺といったところですが、
いつどこで大繁殖しているかは誰にも分かりません。
もし今後、ヒアリらしきアリを見つけた場合の対処法については
別記事で書いておきましたので、そちらをご参考にして頂ければ幸いでございます。
→【ヒアリとは?特徴や大きさを画像で紹介!見つけた時の対処法はコレ!】
今回は以上になります。
最後までお読み頂きありがとうございました!
コメント